ボードゲームとハンデ・手加減

競争/対戦型ゲームを楽しくするための工夫・仕組み

遊び・ゲーム・スポーツでは基本的に同じレベル帯の人同士が競い、拮抗すると満足度の総和は高いです
そのため、各所で様々な工夫・仕組みがなされてきています。

その種類としては大きく分けて下記3つがあると考えます。
① 対戦の時点でよく動けるようにする準備・手引き(チュートリアル)
② 同じ実力同士が対戦できるようにするマッチング・階級分け
③ 異なる実力を均衡させるためのハンデ・手加減

スポーツにおいては年齢・段位・階級などで区切られ、その中で競う事で実力差の幅が調整されています。
デジタルゲームでは、チュートリアルやソロプレイからステップアップしてのオンライン対戦への参加と
参加人数の多さ、システム側で強さ(ランキング・Tier)が自動的に設定されて近い人とマッチングするようになっているので対戦者の実力差がつきにくくなっています。
①②を業界企業努力で強めているため、プレイヤーが③ハンデ・手加減を意識することなく遊べる環境になっていることが多いと思います。

(オフラインの)ボードゲームでは老若男女関係無く遊べるということと、
そもそものプレイ人口が多くなく、初心者とベテランが同卓する機会が多いです。
Tierや段位といったものもなく、同卓者内の実力差の幅はかなり大きくなることが多いです。
また、ゲームの種類も多く、新作も出続けているためゲーム毎の経験値の差がプレイに影響を与えやすいです。

①はルール説明を丁寧にしたり、最初の何ターンかを練習で回したり、リピートすることで改善できます。
②はオープン会などで実力が分かっている人や本人の希望に合わせて卓分けできると改善できます。
しかし、やはり人口が多いスポーツやシステム的にできるデジタルゲームに比べると難しいと思われます。

そこで、③のハンデ・手加減の出番です。

下の動画はデジタルゲームでのお話ですが、カービィやスマブラのディレクターを勤められた
櫻井さんが異なる実力の人達が一緒に遊んだ際に楽しくするためのハンデを肯定的に説明なさっています。

ハンデと手加減の違い

  • ハンデ
    実力差がある対戦者同士が公平に戦えるように、ゲーム開始時にルールに則って合意の元設けるもの。
    ハンデを設けた上で手加減無しで競えると満足度の総和が上がり、次に繋がる可能性が高まります。
  • 手加減
    試合中に意識的に悪い手を打ったりし、相手との点差や勝負内容が酷く偏らないようします。
    手加減をした方は消化不良で楽しさが減少してしまう可能性があります。
    また、手加減された方はあまりにも露骨だと子供扱いされているように感じ心象が悪くなります。

ハンデ・手加減の効能

上記①②と③適切なハンデ・手加減により拮抗した勝負が展開されると
(特に始めた手の人の)満足度が上がり、そのゲーム・コミュニティへの継続率が上がることになります。
これはゲーム自体の面白さというより、環境・コミュニティ面がもたらす満足なので
ゲームコミュニティの活性化にプラスに働き好循環が生まれます。

個人的な話になってしまうのですが
筆者は小さい頃に祖父から将棋を教えてもらい、飛車角落ちなど様々なハンデを付けてもらったり、
(おそらく)手加減もしてもらえたお陰で一方的に打ち負かされることなく楽しみ継続することができていました。
祖父は負けた時でも「手を抜いた」とかは言わず、「上手くなってきたね」と言ってくれていました。
また、ボードゲームを始めたての頃も同卓の方々に恵まれ、
数分間悩んでいても咎められなかったり、時々勝つこともできたりで
勝利を祝ってもらえてボードゲームを楽しめ、生涯の趣味にできるところまでいきました。

後になって自分にもある程度実力がついてきて、あの時の実力であのメンバーに勝てるわけがないと分かり、しみじみ感謝しています。
もし最初から全力で叩きのめされていたら、その趣味の面白さを知る前にその趣味やコミュニティが嫌いになって離れていたことと思います。
他にも娯楽はたくさんありますし、特に多忙な時に貴重な休日を辛いと分かっている遊びを習慣に割くのは難しいです。
もちろんこれも人によって様々で、叩きのめされ続けることで「なにくそ!」と逆にのめり込むパターンもあると思います。
しかし、極めて少数派なのではないでしょうか。

場面と相手とゲームに合わせて

ゲーム展開を拮抗させ楽しめるようにするハンデではありますが
とにかく適用すれば良いというわけでもなく、場面と相手とゲームに合わせて設けるのが良いと思います。
例えば、大会でのハンデはありえませんし、ベテラン勢卓でのハンデ・手加減は無粋です。

将棋や囲碁はルールは簡単なのにとても奥深く、実力差が残酷なまでに出てしまうゲームですが
歴史があるためハンデの設け方のノウハウが蓄積されていて親しめるようになっていると思います。

ただ、それ以外のボードゲームでは運要素も絡んでくることと、ゲーム種類がとても豊富で新作が次から次へと出ているため
そのゲームにハンデを設けるとどうなるのか、最悪ゲームが壊れてしまわないか、が分からない事が多いです。

ボードゲームにまだ慣れていない人
始めて遊ぶ中~重量級ゲームに同卓する場合に
そのゲームのルール説明者や、既に遊んで流れや展開が分かる人の裁量
開始時に有利な手番にしたり、初期リソースいくつかを多く持たせてあげたりできると思います。

また、手番の時間制限があるゲーム(ラミィキューブなど)ではプレイヤー毎に制限時間を変えたりも効果的です。
そのために作成した自作Androidアプリもありますので是非利用してみてください。
初心者の人は2分、1回上がる毎に10秒ずつ短縮、自信がある人は30秒、といった個別設定ができます。

最後に

ハンデや手加減無しで全員が力出し切って楽しめることが理想的ですが
前述したボードゲーム人口や各自の都合からなかなか適うことはないと思います。
オープン会などで複数卓立つようなら実力や気概に応じて卓分けしたり、ハンデを設けたりすることで
総満足度が上がり、ボードゲームが好きになって続ける人も増えていき、やがて上達していってベテラン勢と一緒に
ハンデ無しで楽しめるようになる。という好循環が生まれそうです。

ボードゲーム毎のハンデの研究・情報共有とかも面白い分野になるかもしれません。
また、ゲームデザイナー側からもそのゲームはハンデを設けても大丈夫か、
もし設けた場合のゲームが壊れない程度のハンデ目安
提示されてると遊ぶ層の広がりが期待できるかもしれません。

ボードゲームの楽しさを知り、継続して成長して
ベテラン勢と一緒に楽しく遊べる人が増えていくこと願っています。

 

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